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[2026年7月] 正直堂・新作インディーレビュー ─ Slay the Spire 2

正直堂・月次連載の第2回。話題の続編『Slay the Spire 2』を、Steam スコア・深層スコア・日本語対応の3軸で正直にレビュー。全体は『賛否両論(Mixed)』60%、でも日本語レビューは『非常に好評』80%。この乖離の中身を、早期アクセスという前提とあわせて読み解きます。

[2026年7月] 正直堂・新作インディーレビュー ─ Slay the Spire 2

月次連載「正直堂・新作インディーレビュー」の第 2 回です。第 1 回(Creature Kitchen)は「数字も言葉も日本語環境も素直に揃った 1 本」でしたが、第 2 回はうって変わって、Steam の数字が大きく割れている話題作を取り上げます。

選んだのは、名作デッキ構築ローグライク『Slay the Spire』の正統続編 ─ Slay the Spire 2(スレイ・ザ・スパイア 2)です。

なぜ第2回が Slay the Spire 2 なのか

理由は 1 つ。「Steam の数字をそのまま信じてはいけない」という正直堂の看板テーマが、これほど分かりやすく出ているタイトルも珍しいからです。

実際に Steam を確認すると、こうなっています(いずれも 2026-06-21 時点・Steam レビュー API の実測値)。

  • 全体のレビュー: 「賛否両論(Mixed)」60%(約 18.3 万件中 11.0 万件が好評)
  • 日本語レビューのみ: 「非常に好評(Very Positive)」80%(2,232 件中 1,794 件が好評)

同じゲームなのに、全体スコアと日本語スコアで 20 ポイントも開いている。前作は「圧倒的に好評」の伝説的名作でしたから、なおさら「続編が賛否両論ってどういうこと?」と気になるはずです。この中身を正直に読み解くのが、今回の目的です。

Slay the Spire 2 とは

Slay the Spire 2 は、Mega Crit が手がけるデッキ構築ローグライクの続編です。カードを引いて戦い、勝つたびに新しいカードやレリックを獲得してデッキを育て、塔の頂上(spire)を目指して登っていく ─ ジャンルの金字塔となった前作のシステムを受け継ぎつつ、新キャラクター・新カード・新メカニクスを加えた一本です。

ここで最重要の前提を正直に書いておきます。本作は 2026 年 3 月 5 日にリリースされた「早期アクセス(Early Access)」タイトルです(Steam のジャンル表記に「早期アクセス」を確認)。つまりまだ開発の途中であり、カードのバランスや敵の強さ、システムは今後アップデートで変わっていく前提の作品です。価格は ¥2,800 です。

3スコアで見る Slay the Spire 2

正直堂の 3 軸で整理すると、次のようになります。

| 軸 | 評価 | 補足 | |---|---|---| | Steam スコア | 60%(賛否両論 / Mixed) | 全言語レビュー 約 18.3 万件中 60% が好評(2026-06-21 時点)。前作の「圧倒的に好評」からは大きく落ちている | | 深層スコア | やや低(0.75) | デッキ構築の骨格と中毒性は前作譲りで本物。一方、早期アクセス特有の不安定さを正直に反映 | | 日本語対応 | 🟢 緑(公式対応) | インターフェース・カードテキストが日本語対応。日本語レビューは 80%(1,794/2,232 件)が好評 | | 価格 | ¥2,800 | 早期アクセス版の価格。今後の正式リリースで変動する可能性あり |

※ Steam スコア・レビュー件数は 2026-06-21 に Steam Store / レビュー API から取得した実測値です。早期アクセス作品のため評価は今後大きく変動し得ます。深層スコアはレビュー本文を AI(Claude)で分析した解釈であり、事実誤認・解釈の幅があり得ます。詳細は このサイトについて免責事項 をご覧ください。

「賛否両論 60%」という数字を、正直に読む

第 1 回の Creature Kitchen では「高すぎる 99% の中身」を確かめました。今回はその逆 ─ **「低めに見える 60% の中身」**を確かめます。

低評価レビューを読むと、不満の理由はおおむね次に集約されます(特定レビューの逐語引用ではなく、傾向の要約です)。

  • 早期アクセス特有のバランス調整の迷走 ─ 「あの敵を強化(buff)/このカードを弱体化(nerf)した結果、理不尽に感じる」という、アップデートのたびに揺れる調整への不満
  • パフォーマンスの問題 ─ FPS の低下や、マルチプレイでの切断といった動作面の声
  • 開発方針への不満 ─ 「前作の良さを活かしきれていない」「今はまだ面白くない」という、続編への期待の高さゆえの厳しい評価

ここで見落としてはいけないのは、これらの多くが「ゲームの設計が根本的にダメ」という否定ではなく、「早期アクセスの“現在の状態”への不満」だという点です。「好きになりたいのに、今はまだ乗れない」という趣旨の声が目立つのは、その表れです。前作が長い早期アクセス期間を経て磨き上げられた経緯を知るファンほど、現状に厳しくなりやすい ─ という構図もあります。

そして、**日本語レビューが 80% の「非常に好評」**である事実。これは、デッキ構築ローグライクとしての中核の面白さ ─ カードを組み合わせてシナジーを見つけ、塔を登る中毒性 ─ が、言語の壁を越えてきちんと届いていることを示しています。骨格は本物なのです。

正直堂の見立てはこうです。Slay the Spire 2 の 60% は「つまらないから低い」のではなく、「早期アクセスで揺れている“今”を、期待値の高いファンが厳しく採点しているから低い」。だからこそ、買うかどうかは「早期アクセスであることを理解できるか」にかかっています。

正直堂マトリクスでの位置

これらを踏まえると、Slay the Spire 2 は **Steam スコア 60%(低)× 深層スコア 0.75(やや低)**で、正直堂マトリクスの左下 ─ 「クセあり」象限に入ります。

ここで誤解しないでほしいのは、「クセあり」=「ダメなゲーム」ではないということです。この象限は、クセが強くて評価が割れる名作たちが並ぶ場所です。Slay the Spire 2 の場合の「クセ」は、ゲーム性そのものというより**「早期アクセスという状態の不安定さ」**にあります。完成を待てる人には大きく化ける可能性があり、「今すぐ完成された体験」を求める人には早すぎる ─ そういう、まさに人を選ぶ 1 本です。

詳しいスコアの内訳とマトリクス上の位置は Slay the Spire 2 の正直堂マトリクス で確認できます。

こんな人は「買い」

  • 前作 Slay the Spire が好きで、続編の成長を一緒に見守りたい人 ─ 早期アクセスから付き合う楽しみがあります
  • 早期アクセス=未完成・今後変わる、を理解したうえで遊べる人 ─ 現状の荒さも「開発中だから」と受け止められるなら満足度は高い
  • デッキ構築ローグライクの新作に飢えている人 ─ 中核の中毒性は日本語勢 80% が裏付けています

こんな人は「一呼吸」

  • 「完成された、磨き上げられた体験」を今すぐ求める人 ─ 正式リリースまで待つのが賢明です
  • バランス調整の変更に振り回されたくない人 ─ 早期アクセス中はアップデートのたびに環境が変わります
  • 動作の安定性を最優先する人 ─ パフォーマンス面の不満が一定数ある点は織り込みを

まとめ

月次連載 第 2 回の Slay the Spire 2 は、**「Steam の数字(60%)だけを見て判断すると、確実に見誤る」**典型例でした。全体は賛否両論でも、日本語レビューは非常に好評。低評価の中身は「つまらない」ではなく「早期アクセスの“今”への厳しい採点」。

数字の高低ではなく、その数字が“なぜ”そうなっているかを読む ─ それが正直堂のやり方です。Slay the Spire 2 は、買うなら「早期アクセスの続編を、一緒に育てていく」つもりで。完成形を求めるなら、正式リリースを待つ。どちらも正しい選択です。

来月もまた、その時期の話題作を 1 本、正直堂の 3 軸で深掘りしていきます。

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